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備える・支えあう

各団体の動き

介護業界には大小様々な団体がありますが、それぞれがこの震災で出来ることを考え、動いています。
簡単にまとめてみました。

団体名 組織形態 支援活動
全国コミュニティライフサポートセンター NPO 義援金口座、ボランティア派遣、物資支援、メールマガジンなどで情報提供、東北の事業所を拠点に支援活動を展開、ブログで随時報告
日本認知症グループホーム協会 公益社団法人 義援金口座、ボランティア派遣、物資支援、安否確認、被災状況調査、岩手、宮城に対策拠点を設置し、様々な活動を行う
全国老人福祉施設協議会 公益社団法人 義援金口座開設、ガイドブック発行(被災地、避難所での介護について)
認知症の人と家族の会 公益社団法人 義援金、情報提供
全国社会福祉施設経営者協議会 社会福祉法人 義援金、政府への要請、現地調査
全国老人保健施設協議会 社団法人 ツイッターによる安否確認システムの構築

新聞記事でも取り上げられていますが、行政(厚生労働省)主体の介護ボランティア派遣は初動体制がうまく機能していないようです。
「フットワークが軽い」という民間の特徴を活用して様々な支援が被災地に届くことを願っています。

リンク

震災関連で役に立つものをピックアップしました。

ゆき.えにしネット(震災ページで役に立つリンクをまとめておられます。)
CLC Japan(被災地での看護職・介護職のボランティアを募集しています。)

現地訪問

今回の震災を受けて、3月16日に建築的な被害状況を把握し、損傷などあれば補修を検討するため、弊社が計画した都内の施設にお伺いしました。(「関東は危ない」という声が多く、岡山から向かう交通手段はどれも空席が目立ちました。)

建物は地域によっても差はありますが、ひどいところでは家具が倒れたり、壁にヒビが入ったりしています。
お伺いした場所では幸いスタッフや利用者の方にケガがなく、また躯体等に損傷がなく、本当に良かったです。
倒れた家具等は元に戻し、固定バーで支えていました。
一見、不必要にも思える対策が重要なのだと考えさせられる出来事です。

まちを歩いてみると、都心でもタイルなどが落下して危険な状況のところもあるようです。
被害の大きな地域と比べるとたいしたことではないように思えますが、油断は禁物です。

shinsai

 

不安との戦い

一般的に建物の揺れは高層階にいくほど強くなります。
中規模の福祉施設などの上階では、かなりの揺れを感じたそうです。
働いておられるスタッフの方々はとても不安を感じています。しかし、福祉施設は24時間体制なので、休むわけにはいきません。
そんななかでも、認知症のお年寄りたちの明るい歌声は空気を和ませてくれていました。

風評被害

一方、まちでは繁華街に人影が見当たらず、閑散としています。地下鉄はガラガラです。しかし、夕方になるとどの鉄道もとんでもないラッシュが始まります。
東日本と西日本でまるで風景が違っていました。

その割りに食料などの買占めがひどく、驚きました。普段車に乗らない人がガソリンを給油したり、必要以上のものを大量に購入する人たちを多く見ました。

少し気になったのは買占めに走る人はお年寄りが多いように感じたことです。事務所のあるマンションの下にいると、つぎつぎとビニール袋を両手いっぱいに下げたお年寄りが通り過ぎていきます。
やはり高齢になるにつれ、不安に陥り易いのでしょうか。立場が弱く、孤独なお年寄りをみると心が痛みます。

「奪い合えば足らぬ、分け合えば余る」という言葉にもあるように、こんなときだからこそ支えあいが大切です。
わずかではありますが、岡山からの支援物資が役に立つと言われ、複雑な気持ちになりました。

右のポスターがツイッター上で広まっているそうです。
私たちが日々、何気なく消費しているものも、被災地では命をつなぐ大事なものになるんです。節約しましょう!

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復興に向けて

今は(3月中旬)残念ながら復興の段階に入っているとはいえないでしょう。
現地では未だに災害の状況把握を進めています。
被災地で必要とされているものは物資と医療でしょう。
そして、これからは介護や生活上の支援が求められるはずです。
厚生労働省の下、全国からたくさんの介護職員が派遣される手続きがとられています。
既に8000人以上が派遣可能な状況のようです。(3/25現在)素晴らしいことだと思います。

 

 

東日本大震災について妻井さんのメールから抜粋

認知症の人と家族の会岡山支部代表の妻井さんが震災についてお話しされたメールの内容をご紹介します。

今回の大震災の件、本当に心が痛みます。「自分たちに何ができるか…?」の自問自答が続いています。
最初に浮かんだのは、東北に住んでいる親戚や認知症介護研修仙台センターの 先生やスタッフ達は…、研修を一緒に学んだ同窓は…被害に遭っていないかを 案じた気持ちでした。すぐに電話をとりました連絡は数日とれませんでした。
知っている人がどうなっているか・・・というその焦燥感のイライラに人は とらわれてそれを追いかけるのに集中することに今度気が付きました。 震災後2日目に最初に連絡が取れた同輩の専門職に「何か送ろうか・・・」と聞きましたら、「物を送って下さるお気持ちはすごく嬉しいのですが、交通手段はありません、 今は出来ないことより、この安否を尋ねて下さっているお電話の励ましが一番嬉しいのです・・・」言われました。 何かしなければと言う気持ができない自分に向き合う時、“腹立たしい自分になって いる”事に苛立ちます。
センターの先生やスタッフの元気な事が判ったのは6日後の事で、 その先生も「メールで妻井さんが案じている下さっている情報を開けて見て、一番元 気づけられた…」と言われました。
その先生の話で、スタッフの体は助かったが家や家族が被害に遭っておられることも知り、 今でもまともな食事は一日一回しかとれてれいないそうで、その被害の大きさを感じ ています。
一番案じていた、同輩の介護職員は仙台空港のそばにある家の人で、連絡が取れず半 ば諦めた気分になって いたのですが、9日目に携帯電話な通じて,「1階まで津波が来たのですが2階にい て助かった…」の声を来た時 本当に感動の思いが沸いてきました。
彼女は「ワ―!妻井さん。電話してくれて嬉しい!!生きていて、心配してくれてる 人が遠くにいてくれるのがこんなに嬉しいとは・・・」と言いました。 「何か、必要な物は…」と聞くと、「物は次第に支援がぼつぼつ届いてきています。 それよりも、仲間の声が一番嬉しい励みです!」と やはり言っています。そこで、同窓の仲間たちに彼女の助かったこと連絡を取り合って、声かけを要請したものでした。
岡山県のそのセンターで履修した指導者たちとはメーリングリストで連絡を交換しながら、若い連中のいる指導者の施設などから、東北各県からの介護福祉施設からの具体的要請が来た場合に 支援ボランティア派遣の対応をしてもらうよう要請したりしています、
(「おれも登録さいようか・・・?」と言ったら、家内が即座に「あんたみたいな老人は何か一つしたらすぐばてて貴方が介護してもらわなければならなくなる厄介者になるだけじゃが」と言下に却下されました。)
県社協の事務局長とも県下の全体での支援状況を意見交換しながら、「この災害支援は長丁場になる。それぞれの持っている資源の力量に合った、息長い視点に立った対応が必要であろう」と言う点で一致しました。
「家族の会」のような所では、構成組織の年齢など勘案して体力的なボランティアよりも、可能な“義援金支援” などが最も可能な支援であろうというアドバイスも頂きました。
「家族の会」では、本部から東北各県支部へ連絡を一本化してとって、情報を流してくれています。かなりの各県の世話人達の安否が判明しつつありますが、未だ連絡の取れない方もおられるとのことです。その本部の取り組みに一本化して“義援金募集”を今日25日から取り組みます。岡山県支部の東北各県との知り合いやは殆どいないことあって特別に連絡はとること を控えております。
私個人としては、12日の山口県長門市や14日の矢掛町での女性連絡協議会での「認知症理解の講演会」、25日の瀬戸内市での介護家族会などで、“震災難民にうちでの災害弱者としての認 知症高齢者”の事を訴え、当日の主催者の災害支援募金に是非協力を…!!と訴えております。その時の講師料などをその義援金に寄付するなど等しながら、参加者への募金支援のお願を影ながらやることで今日まできています。息の長い支援とは何かを皆で考えて取り組む必要があると思っています。

物的な支援はもちろんですが、電話で話したりという精神的な支援も重要だと感じました。
家族会の支援のページはこちらから!

 

支援を続けるために

ひとつ気がかりなことがあります。
16年前の阪神淡路大震災のときのことです。私も岡山から支援に行きました。
地震発生から2ヶ月、これから復興に向けて進んでいこうとした矢先「オウム真理教」の事件が起きました。
テレビをはじめとするメディアの報道内容はオウム一色に染まりました。
テレビで地震のことを放送する機会が明らかに、とても極端に少なくなりました。
そして、震災に対する支援の輪は急速に弱体化していきました。とても残念に思いました。

今回の震災による被災地の復興は長期化します。その期間中に様々な事件も起きるでしょう。
しかし、メディアの皆さんはバランスのとれた報道を心がけて、どうか支援の灯りを消さずにして欲しい。
我々も一時的なこととして忘れることなく、みんなで支えて続けていきましょう!

 

エールを忘れない

今回の災害はとても広域な被害をもたらしました。
日本全体の危機といって間違いないでしょう。
多くの人が被災され、支援の手を求めています。
私たちが出来ることはいくつかあります。

義援金や物資を送る、ボランティアに出向くなど生活を支援することはとても重要です。
まとめ買い、買占めを控えることも必要でしょう。
そして、今後は「みんなで日本を支える」ということが重視されると思います。

現在、日本には「自粛ムード」が流れ、花見も禁止されるところが出ているようです。
しかし、私は震災による被害が少ない地域は、日本を支えていかなければいけないと思っています。
そのためには経済を停滞させてはいけません。むしろ、私たちが活発化させないといけないのです。

被災者の方々へのエールを忘れず、日本を支えていくことをテーマとし、この危機を乗り越えていかなければいけないのです。